機械式腕時計が好きな人なら誰もが知っているであろう機能、トゥールビヨン。
今回はトゥールビヨンとは何かという点について、良く知らない方にも分かりやすく解説したいと思います。
結論として、時計に搭載されていたヒゲゼンマイにかかる重力の影響を均等に分散させる機能で、時計の精度を左右する非常に重要なものです。
どのような仕組みでどのような点が優れているのかを詳しくまとめました。
その他にもトゥールビヨンの魅力についてお話ししたいと思いますので、ぜひご一読ください。
トゥールビヨンとは
トゥールビヨンとはフランス語で渦を意味しており、渦を巻くように回転し続ける機構のことを指します。
ここでは、トゥールビヨンについて解説していきます。
世界三大複雑機構のひとつ
トゥールビヨンとは世界三大複雑機構のひとつで、内部の一部の構造全体を回転させることにより、姿勢差による系統的なズレをキャンセルし克服する機構です。
「ツールビロン」「タービロン」とも呼ばれています。
世界三大複雑機構とは、「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」「パーペチュアルカレンダー（永久カレンダー）」の３つです。
様々な高級時計に搭載
トゥールビヨンは様々な高級時計に搭載されています。
代表的なものといえば、タグホイヤー カレラ（Ref.CAR5A8W.FT6071）やブレゲ クラシック トゥールビヨン クロノグラフ（Ref.3577PT/15/9V6）などに搭載されています。
トゥールビヨンの歴史
トゥールビヨンはどのようにして生まれたのでしょうか。
ここでは、トゥールビヨンの歴史を紹介します。
発明者は天才時計師ブレゲ
トゥールビヨンを発明した時期ははっきりしていませんが、1801年6月26日に天才時計技師のアブラアム＝ルイ・ブレゲがトゥールビヨンの特許を取得しています。
誕生のきっかけは懐中時計
当時は懐中時計が主流でポケットに入れて持ち運ぶため、重力の影響を受け、精度が落ちてしまいます。
そこで、プレゲはどの姿勢になっても高い精度を保つためにはどうしたらよいのか研究した結果がトゥールビヨンです。
トゥールビヨンの機構について
上記でトゥールビヨンについて軽く説明しましたが、トゥールビヨンとは一体どんな機構なのでしょうか。
ここでは、トゥールビヨンの機構を詳しく解説していきます。
一般的な機械式時計の仕組み
一般的な機械式時計は「動力機構」「輪列機構」「脱進機構」「調速機構」の４つの機構によってできています。
ゼンマイを巻き、「テンプ」「アンクル」「ガンギ車」「ヒゲゼンマイ」といったパーツが動かされ時計が動きます。
トゥールビヨンの仕組み
トゥールビヨンはどの姿勢でも時計がズレないよう重力の影響を受けやすいテンプ、ヒゲゼンマイ、脱奨機などをキャリッジと呼ばれるものに収め、1分間に1回転させることで重力を分散させ、精度を保っています。
トゥールビヨンは見て楽しむことができる
トゥールビヨンは他の機構と比べてどのような特徴があるのかというと、機構そのものを楽しめるということです。
一般的な機構は文字盤で機構が隠されてしまうものの、トゥールビヨンが搭載されている時計の大体は文字盤の一部がくり抜かれており、部品が回転しているところを見て楽しむことができます。
トゥールビヨンの種類について
トゥールビヨンには「ノーマル」「フライング」「ジャイロ」の３つの種類があります。
その３つの種類についてそれぞれ解説していきます。
ノーマルトゥールビヨン
プレゲが懐中時計向けに発明した、基本的なトゥールビヨンを腕時計用に小型化した種類です。
ブリッジとキャリッジを備えており、クラシックな雰囲気を放っております。
他の種類と比べ、比較的手が届きやすい価格帯にあるのも特徴です。
フライングトゥールビヨン
フライングトゥールビヨンはキャリッジが浮いているように見える種類です。
ノーマルには表と裏どちらにもあるブリッジがフライングでは裏側のみだけ備えられています。
ブリッジがないことによって浮かんで見えるのです。
ジャイロトゥールビヨン
ジャイロトゥールビヨン別名、3D球体トゥールビヨンは高級腕時計ブランドのジャガールクルトが開発しました。
3Dの球体に収められたキャリッジが回転して重力を分散させる仕組みです。
ノーマル、フライングとは違った形状が美しいと注目を集めています。
非常に美しく魅力的な分、値段も高くなっています。
トゥールビヨンの搭載モデルを紹介！
トゥールビヨンが搭載されているモデルをブランド別に紹介していきます。
オーデマピゲ
ロイヤル オーク トゥールビヨン エクストラ シン（Ref.26522CE.OO.1225CE.01）
厚さわずか9mmのボディーにトゥールビヨンを搭載したモデルです。
ロイヤル オーク トゥールビヨン クロノグラフ オープンワーク（Ref.26343CE.OO.1247CE.01）
トゥールビヨンとゼンマイの連動する姿があらわになり、複雑機構の愛好者なら興奮しざるを得ないモデルです。
ブレゲ
ブレゲ クラシック トゥールビヨン クロノグラフ（Ref.3577PT/15/9V6）
12時の位置にトゥールビヨンが配置されています。
シースルーバックで腕時計内部の構造を堪能できるのがポイントです。
パテックフィリップ
スカイムーン・トゥールビヨン 6002
三大複雑機構を含む12の複雑機構が搭載されたモデルです。
裏ダイアルでは恒星時表示や星座表を搭載したセレスティアルも堪能できます。
グランド・コンプリケーション 5316P
三大複雑機構とムーンフェイズを搭載したモデルです。
ムーンフェイズとは新月の朔から新月、または満月の望から満月という朔望月を表しています。
つまり、太陰暦を示しています。
トゥールビヨンが愛される理由を知ろう
世界三大複雑機構の1つであるトゥールビヨンは現在では必要ではない機構かもしれません。
ですが、その美しさとインパクトから多くの時計ファンに愛され続けています。
ぜひ、トゥールビヨンが搭載されている時計を手に取り時計の歴史を感じてみてください。
トゥールビヨンが搭載されている時計を購入、または売却の際にはぜひブランドバンクをご利用ください。
ブランドバンクではどこよりも高く買取り、そしてどこよりも安く販売を行っています！
ぜひコチラからサイトのご確認をよろしくお願いします。
