時計愛好家の皆さんなら常識の「オーバーホール」
しかしまだ時計を愛用しだしたばかりで
オーバーホールという言葉を知らない人も居るのではないでしょうか？
そんな方の為にこの記事では「時計のオーバーホール」について解説していきたいと思います。
大切な時計を長きに渡って使いたいのなら、
絶対に必要な情報なのでぜひ最後まで読んで頂ければと思います。
オーバーホールとは？
オーバーホールとは時計の全ての部品を分解して洗浄、組立、注油、調整、実測、検品
までを行うことをさします。
要約すると、「腕時計の徹底洗浄」にあたります。
時計の内部には複数の油が注入されているので
油の劣化を放置してしまうと精度が落ちてしまうことがあります。
そのため、大切な時計を長持ちさせるためには定期的なオーバーホールが必要です。
どのくらいの頻度で行うのか
オーバーホールを行う目安は
防水性や時計の種類や年式によって様々ですが「3〜5年を目安」に行うと良いです。
年数がたつほどに油は劣化する為、
より精度が狂いやすくなり最終的には壊れてしまうこともあります。
メンテナンスとは違う？
「オーバーホール」は部品を総分解して必要とあれば部品の交換をします。
対して「メンテナンス」は軽度な点検をさします。
主に外観から分かる汚れや壊れがないかの確認をするので細部は行いません。
機械式の時計以外もオーバーホールが必要
電気で動くクォーツ・オートクォーツなどの
定期点検が不要と思える時計であってもオーバーホールは必要です。
「歯車を使用している時計は必要」という認識を持ってください。
歯車を使用している時計は潤滑ために油を使っているため
オーバーホールをしないと劣化がおきてしまいます。
オーバーホールの費用の目安
オーバーホールの費用はこまかい年式やムーブメントの作りなどによって
様々ですが目安について解説していきたいと思います。
| ロレックス |
27000〜47000円程度 |
| オメガ |
20000〜37000円程度 |
| ウブロ |
25000〜45000 |
| シャネルＪ１２ |
30000〜 |
この金額は通常のオーバーホールの平均金額なので
オプションで外装を磨き上げるなどコーティングを足すと更に料金がかかります。
安価な金額ではないですが壊れてしまってからでは
修理費用がもっとかかってしまうので、
そうなる前にオーバーホールを行うようにしましょう。
オーバーホールの工程
実際にオーバーホールを依頼した場合、
どのような工程で行われていくのかを解説していきたいと思います。
自宅では行えない工程ばかりなのでプロに頼む必要性をいま一度確認しましょう。
�� 時計の分解
まずは時計を分解します。
ゼンマイの一本一本に至るまで内部の部品全てを分解するので、
専門者でないと完全に戻すことが困難になってしまうため素人にはまず難しいでしょう。
�� 洗浄
専用の薬品などを使って部品一つ一つを洗浄していきます。
超音波などを使いサビなども綺麗に落とし、新品に近い程度の状態に近付けます。
�� 組み立て→注油
洗浄が終わったら注油しながら組み立てをしていきます。
油の量が多すぎても少なすぎてもダメなので専門の職人にしかできない仕事です。
�� タイミング調整
「タイミング調整」という言葉に聞きなれない方も居ると思います。
機械式時計の精度を合わせるために調整をする工程です。
ミリ単位の微調整を繰り返し「日差0〜＋10秒」になるようにしていきます。
微調整の中でもコンマ程度のずらしを重ねていくので職人ならではの仕事です。
�� 研磨仕上げ(しない所もある)
外装の細かな傷などを研磨することで無くしていきます。
研磨で仕上げる事で新品同様の品へと生まれ変わります。
この工程は別途料金になっているお店もあります。
�� 防水テスト
時計に圧を加えた際に時計に生じた歪みの変化を
精密な精度で検出することで防水性についてテストをします。
�� 持続時間テスト、巻き上げテスト
時計が正確に時を刻んでいるのか、ズレがないかを確認する項目です。
４〜５日程度かけて行います。
�� 完成
いよいよ完成です。
この工程までにお預かりから1か月程度かかることもあります。
長めに見積もって2か月を目安にしておくと待ちくたびれないかと思います。
オーバーホールを受け付けて貰えない場合もある
オーバーホールを専門の店舗に依頼しようとしたときに、受け付けて貰えない場合があります。
下記事項にあてはまると難しい事が多いので注意しましょう。
コピー品など
メーカー純正品でない場合は受け付けて貰えません。
また自分で改造など純正品以外のパーツを取り付けた場合にも断られるケースが多いです。
極端に状態が悪い場合
極端に状態が悪い場合もお断りされるケースがあります。
オーバーホールではなく「修理」の方が適している場合、
メーカーにて修理を進められることがあるようです。
製造が中止していて、部品の入手が難しい物
製造が中止していても部品を代用できるケースもあります。
しかし製造もしていない、
代用も難しいものについてはオーバーホールをお断りされるようです。
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